夢も希望もない状況で,未来をみる術とはなんだろう。これはゲームの話ぢゃない,経営の話だ。
ゲーム業界大手のナムコ社,スクウェア社,エニックス社が,株式持ち合いによる事業連携に踏み出した。3社は「なにも決まっていない」と発言しているが,ネットワークゲーム事業での可能性を示唆している。投資のかさむネット事業のインフラや開発ツールの共有は,意味がある。結果的にハードウェア事業から撤退したセガを反面教師に,ハードメーカーとの連携や,業界を超える枠組みの連携も予想される。
果たしてこの3社の提携に,期待感など抱けるものがあるのだろうか? どんな業界であっても,トップにいる数社が手を組むなんて云うのは,せっぱ詰まった状況の現れだ。実際,ナムコの本決算の経常利益予測は45億の赤字(フレッシュアイ:株価情報),スクウェアは51億の赤字となっており(フレッシュアイ:株価情報),今のところ手堅いエニックスも,今後は同じ波にのみこまれるだろう。今後,景気が回復したからと云って,ゲームが売れる保証などからきしない。つまりそんな3社の提携など,夢も希望もないあらわれなのだ。
唯一の突破口であるネットワークも,セガ以外は逃げ続けて来たツケが回ってきて,ゲームが売れない最悪の状況で実験や経験を踏まなければいけなくなっている。現在の唯一の「望み」であるのはPSOだが,今は終わってしまったハードの話をする時ではない。それに,もしPSOをその名前のまま,他のハードで出るとしたら(残念なことに一部そういう発言があったが(過去記事)),それはゲームキューブとなろうが(ソニックチームのゲームクリエイトの現実にいちばん近いのはゲームキューブだからだ),遅々として環境は進まない。今までネットワークを甘くみていたのだ。ある程度の痛みを味わうのは当然だろう。さて,その痛みを癒しに変えてくれるのは,ゲームキューブなのか,Xボックスなのか,それとも,コンシューマーゲームハードの絶滅,なのか?
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